車の「修復歴」の正確な定義を理解しておくことは重要！事故車との違いは？

車を売却する時の査定では、修復歴の有無がかなり影響します。

しかし、どうなったら「修復歴あり」や「事故車」になるのか？は意外と知られていません。

とにかく修理した履歴があれば修復歴となると思っている人もいれば、すっかり元通りになっているのに事故車扱いと言われびっくりしたり、不幸なパターンだと自分も修復歴なしと思い込んで売ったのに実際は修復歴があり、トラブルになったりすることもあります。

一方で、ちょっとした外装の傷や小さな凹みを「事故車」や「修復歴になる」とウソをつかれて安く買い叩かれることなどにも注意が必要です。

事故車や修復歴の定義をしっかりと理解しておくことで売却やトラブル回避に大きく役立ちます。これを機に学んでおきましょう。

事故、修復、どっちなの？

事故車や修復歴ありという表現はよく聞きますが、どちらが正確な表現で、どちらが重要なのでしょうか？

「事故車」というのは、単に事故を起こしたことのある車をそのように呼びます。ガードレールにぶつける自損事故や、他の車に追突したりと、ボディなどに損傷を起こすあらゆる事故を含みます。

ただ、単なる事故車というだけであれば査定に響かない場合があります。

もちろん損傷がそのままではいけませんが、その跡が分からないほどにきっちりと修復してあれば、査定において大きな問題があることは多くはありません。

修復歴の方が重要。その定義を抑えておこう

注意すべきは「修復歴」なのです。

「修復歴」は、自動車公正取引協議会によってしっかりと定義がされています。

その定義に当てはまるものは修復歴ありとされ、査定に大きく影響することになります。

事故車の方が大きい概念ですので、事故車の中には修復歴車がある、ということにはなりますが、しっかりと定義があるのは「修復歴」の方です。

修復歴とは、以下に挙げる8ケ所について修理もしくは交換された履歴のある場合を言います。

フロントクロスメンバー
フロントインサイドパネル
フレーム
ダッシュパネル
ルーフパネル
ピラー
ルームフロアパネル
トランクフロアパネル

これらの部分に修理・交換がされている車は修復歴ありとされ、査定を大きく下げる可能性があるのです。これは車種によらず、です。

じゃあ事故車って結局なんなの？

さきほど述べた通り、事故車の方が大きな概念となります。

事故を起こしたことのある車が事故車であり、その中で前述した8か所うちのどこかを修理・交換した車が修復歴車、ということになりますす。

しかし、実は「事故車」は修復歴と異なり、正式に定められた定義はない俗称なのです。

事故車という表現は分かりやすいですが、査定に明確に響いてくる修復歴とは似て非なる俗称である、ということですね。

修復歴、事故車の正しい意味と定義を知ることは、査定にも役立つ

この混同しやすい事故車と修復歴ですが、その用語の混同につけ込んで、買取額を下げようとする買取店などもあります。

つまり、正しく用語を理解しておくことで、ウソの買取査定などを見抜ける場合もあるわけですね。

たとえば、事故を起こしたことがあり、その際にバンパーを交換し、そのまわりの小範囲に板金塗装をした履歴がある車があるとしましょう。

バンパーは交換しただけであってフロントクロスメンバーの損傷はなく、全てがキレイに直っていたとします。

この車を、事故歴があるからと査定でかなり低くされてしまうという場合があるのです。

ドアの凹みなども同じで、横から衝突されてドアが凹んで交換したり板金で直したりした場合でも、ピラーの歪みや損傷などが生じていない場合なら修復歴とはなりません。

しかし、事故車という理由でかなり減額したりする査定士もいるわけですね。

もちろん査定士の判断が最終的な結論にはなるわけですが、「修復歴」が無く、交換や板金塗装などでキレイに直っている場合は、通常は査定額が大きく減額される強力な根拠とはなりえません。

この知識があるかどうかで、不当な大幅な査定の減額に対して反論することができます。

こちらに正しい知識があると分かれば、査定士も自分の利益を優先したウソをついたり根拠のない査定をしてくることはなくなるはずです。

査定を受ける側も、しっかりと知識を見につけて武装してから買取査定にのぞみましょう！

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