晴れて車を売却できたときにこそ気を付けるべきなのが、売却契約後に生じるトラブルです。
そしてトラブルの原因で多いものが、突然のキャンセルです。
特に売り手のキャンセルが元で生じるトラブルが多いのです。
それだけに、売り手がキャンセルできるかどうか、売買契約後にどのような責任が生じるのか、はよく知っておく必要があります。
売却後の車はキャンセル可能なのか
これは、普通はキャンセルは不可です。
売買契約書には通常、売却が済んで店側が買い取ったあとにキャンセルはできないという記載が必ずあるので、売り手からの一方的なキャンセル要求は、それなりの対価（違約金やキャンセル料など）を払うことになる可能性があります。
買取店は買い取った車をいつまでも寝かしてはおかないので、極端な話ですが、買取り直後に現金化のために他の場所へ運んでしまっているかもしれません。
なので、普通は売り手の一方的なキャセルは認められません。
違約金の具体的な内容とは
通常、売買契約書には買取り終了後のキャンセルについて決まった額の違約金やキャンセル料が生じるという記載があります。
金額の何%や、○万円以下での買取は一定額の■万円、などのように記載されています。
売り手が一方的にキャンセルを希望した場合は、これらの金額を支払う必要が出てきます。
違約金の支払いは必ずしなければならないのか？
これは、原則としては応じなければいけません。
契約というものはそういうものです。
この大前提を崩したら契約が意味をなさなくなります。
ただし、違約金の設定があまりにも高額であったりすると、妥当性を欠くということでそのままの額の支払いに応じる必要はない場合もあります。
とはいえ、店側があくまで支払いを迫ってきた場合は民事裁判での解決が必要になったりしますし、その費用や時間を考えると明らかに苦労は多くなります。
また、買い取られた車がすでにオークションで落札されていたなどという場合、完全な第三者であるその落札者も巻き込んでしまうことになり、キャンセルはもう現実的には不可能、という場合もあります。
売却契約後にキャンセルできる可能性があるケースとは
これはあくまで可能性という話にはなりますが、契約後でもキャンセルができる可能性があるケースがあります。
車両や関係書類の引き渡し自体がまだ行われていない、という状況がそうです。
その状況であれば車はまだ売り手の所にありますし、買取業者が他の場所へ陸送してしまった、などということはありません。
とはいえ、これはあくまで買取業者のその場の判断に委ねられることです。
契約を交わしている以上、一方的なキャンセルは普通は通らない、と思っていなければなりません。
クーリング・オフは車売却でも成り立つのか？
よく聞く言葉であるクーリング・オフ。
これは、売買契約後も一定の期間内であれば、理由を問わず契約を解除できるという制度です。
催眠商法などでの悪質な売り方をする業者が出てきたため、買い手には一度じっくりと考え直す期間を与えよう、という趣旨のものです。
これは通常の商品の契約ならほとんどで成り立ちますが、車売却の契約はクーリング・オフ制度の適用対象にはなりません。
車は通常、数百万というレベルの額がやりとりされます。そのため、十分に慎重に判断したうえでの契約とみなされるからです。
営業トークにウソの説明があったことを証明できればキャンセルできる場合もあります
あくまでケース・バイ・ケースですが、査定額交渉のときに査定士が虚偽の説明をしたということが証明できれば、契約を違約金無しでキャンセル可能な場合はあります。
つまり「そんなこと聞いてないよ！」となった場合ですね。
ただ、それを証拠として通用するレベルで証明することは非常に難しいケースが大半です。裁判などになったら余計なお金と期間がかかります。
そもそも、キャンセルがしたいと後から思うような状態で契約してはいけないのです。
当たり前のことではありますが、契約は十分に考えた上で行いましょう。
車買取業者とトラブルを起こさないためには？
トラブルをなるだけ避けるためには、車やその売却に関してある程度の知識がやはり必要と言わざるを得ません。
自分の車の正確な相場を知っておくことが大事
あとからキャンセルしたくなってしまうトラブルに関しては、その原因の主なものは自身の車の価値をよく知らないことから生じます。
査定士は交渉のプロです。色々な営業トークや口車で、なんとか少しでも安く車を買い取ろうとしてきます。
海千山千の査定士に巧みな営業トークで早期契約を迫られ、納得のいかない価格で売却を決めてしまったような場合に、後から「もっと高く売れるはずだ」と思ってしまい、それがひいてはキャンセル希望となってしまうわけです。
自分の車のおおよその価値を知っていれば、いくら営業トーク攻めにされようとも、不当に安い査定額での契約などはしないはずなのです。
つまり、最も重要なのは自分の車の価値を知っておくことです。
自分の車の正しい価値を把握する方法
では、どうすれば自分の車の価値を知ることができるのでしょうか？
確実な方法は、経験があり交渉力もある人に付き添ってもらいながら、いくつかの買取店を回って査定額を出してもらうことです。
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少なくとも、巧みな営業トークで安く買い叩くという方法が入り込む余地はなくなります。
そして、多くの買取店の査定額を目にすることで、おおよその自分の車の買取相場も分かります。
このことで、実際に車を見てもらう本査定時にも、不当に安い価格で買い取られたりということはなくなります。明確な基準があるわけですから。
もし本査定でいきなり違う額を提示されたりしたら、他の業者に切り替えればいいだけです。
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