皆さんは残価設定型ローンというものをご存知でしょうか。
詳しく知らなくても、聞いたことがあるという人は多いかもしれません。
残価設定ローンを利用すれば、月々の支払額を普通のローンよりも抑え目にできます。
そのメリットやデメリットを解説します。
残価設定ローンとは
これはどのようなものかというと、まず車の価格が
○年後には△円になる
とみなします。
この△円を「残価」と呼びます。
そして、
車両本体価格から残価の△円を引いた残りを○年かけて払えば良い
というようにする仕組みが残価設定ローンです。
本体価格よりもかなり低い価格を分割で払えば良い、ということですから、月々の支払いはかなり低くなることが分かるかと思います。
どれくらい支払いが抑えられるか
例えば、車両本体価格が1,000万円の車の3年後の残価設定が75%だったとします。つまり3年後に1,000万円 x 75% = 750万円になるとみなす、ということです。
すると、購入者は1,000万-750万 の 250万円を3年掛けて払えば良い、ということになります。つまり
1,000万円の車が、250万円の3年ローンで買える
ということになります。
かなりオトクになるということが分かるでしょう。
本当に残価の通りになるのか?
ここで、疑問を持つ人もいると思います。
先の例では75%の残価設定で、3年後に750万円になるとみなしていました。
でも、3年後にその車が本当に750万円の価値を保てるかどうかなんて、誰にも分かりませんよね?
それなのにもう750万円になるとみなしてローン組んじゃって良いの?と思う人も多いと思います。
その疑問はある意味では当たっていて、残価設定ローンには2つのタイプがあります。
1. 残価保証型の場合
これはなんと、設定した残価を保証してくれるというものです。
早い話が、絶対に○年後には△円で買い取るよ、と約束してくれるということですね。
この場合、何らかのお金の精算はもちろん不要です。
2. 残価保証型ではない場合
残価を保証してくれない残価設定ローンもあります。
とりあえずそれくらいの残価になると仮定した上で、残りの額に関してローンを組みます。
この場合は、まずローンが終わった時点でその車の査定を受けます。
そこでの査定額が、最初から設定されていた「残価」と同じなら問題はありません。
しかし、査定額が残価を下回っていた場合、それは不足分として支払う必要があります。
残価設定ローンが終わった後はどうなる?
これは個々のプランにより条件はさまざまですが、車を返却するか乗り続けるかを選べる場合がほとんどです。
車を返却する
車の価格が残価通りならば支払いなしでそのまま返却するだけです。もし設定残価よりも査定価格が下回った場合は、不足分を支払って車を引き取ってもらいます。
そのまま乗り続ける
残価に相当する額も支払うならばそのまま乗り続けることもできます。その分だけのローンを新たに組むこともできるのが普通です。
残価設定型ローンのメリット
残価設定型ローンの最大のメリットは、
月ごとの支払いを少なくできるため、予算より高い車も購入が可能になる
ことです。
先に説明した通り、残価設定ローンを利用すれば、例えばの話ですが「1,000万円の車を250万円の3年ローン」で買うこともできてしまったりするわけです。
普通なら予算オーバーになる車でも買うことができるわけですね。
そのぶん、新車を次々と乗り換えていくことも可能になる
残価設定ローンであれば定められた期間(3年や5年など)でローン支払いが終わるため、その後は車を返却し、また新しい車を購入するというサイクルで新車を乗り継いで行くことも可能になります。
新車購入後の最初の車検は3年目に行われますが、その車検も受けることなく買い替えてしまえるので、車検代の節約にもなります。
新しい車を買った場合でも、今までと似たような支払条件の車であれば、体感としては「今まで払ってきた月々の支払いをまた今後も続ける」というだけのことなので、抵抗なく次々と新車に乗れるわけです(諸費用はその都度かかりますが)。
残価設定型ローンのデメリット
通常は値引きしてもらえない
新車を買う際でも多少の値引きはあるものですが、残価設定ローンで購入する場合は原則として値引いてもらえることはありません。
その分、コーティングをサービスしたりディーラーオプションをサービスして付けたりして実質的な値引きをしてくれるディーラーもありますが、基本的には値引きは無いということを覚えておきましょう。
好きなように車をカスタムできない
残価設定ローンでは、ローン終了時に購入したときと同じ状態で車を返すことが求められられるため、自分の好きなようにカスタマイズができません。
正確には「ノーマルに問題なく戻せれば良い」のでそのような種類のカスタマイズはできますが、ボディの不可逆的な加工などはできなくなります。
また、ノーマルに戻すためにもタダというわけにはいかないので、それらのコストも無視できなくなります。
残価保証型の場合は、車の使用が制限される
残価保証型は決まった年数後の車の価格を保証するものですが、多くの場合で走行距離に制限があります。
価格が保証されるからと10万kmも走られたらたまったものではありませんから、当然のことではあります。
例えば、スズキの残価設定ローンである「かえるプラン」では、以下のような条件になっています。
車両の状態が下記の条件を満たしている場合、取扱販売会社が最終回お支払金額で車両をお引き取りいたします。
1.【5年プラン】5年間の総走行距離が60,000km以内
【3年プラン】3年間の総走行距離が40,000km以内
【4年プラン】4年間の総走行距離が50,000km以内2. 自動車の査定による減点(走行距離を除く)が50点(50,000円相当)以内
(一財)日本自動車査定協会登録の中古自動車査定士が返却自動車を最終回のお支払額(残価)より減点方式にて査定いたします。3. 過酷な使用(レース等による過酷な走行等)や違法改造がされていないこと
4. 法令およびスズキが指定する点検整備を受けていること
5. 当該自動車に係る契約期間中の自動車税(軽自動車税)をお客様がお支払いされていること
条件1.2.に関しては規定を超えた場合でも下記の通り超過分の金額をご負担いただければ、車両をお引き取りいたします。
1. 上記の走行距離を超えた場合、超えた走行距離1kmにつき5円をお支払いいただきます。
2. 査定による減点が50点(50,000円相当)を超えた場合、超えた部分をお客様にお支払いいただきます。ここから引用
この例では、3年プランなら40,000kmの制限となっています。
1年365日 x 3年 = 1095日
なので、単純計算で1日あたり
40,000 ÷ 1095 = 36.52km
ですね。
私は学生時代に片道13km離れた大学に車で通学していましたが、週末や年末年始はそれほど乗らないのが普通ですし、その程度の仕様であれば全く問題がないということが分かりますね。
とはいえ、心置きなく長距離を多く走る、ということは無理になります。また、40,000kmが近づくにつれておっかなびっくり乗るようにはなってしまいますね。
また、
過酷な使用(レース等による過酷な走行等)や違法改造がされていないこと
という項目も盛り込まれていますね。
このような制限はやはりどうしても付いてきてしまいます。
残価保証型であっても車の汚損などでは追加の支払いが必要
これも当たり前ではありますが、残価保証型は車をそのままの状態で返すというのが前提ですので、傷や凹みはもちろん、内装が傷んでいる場合は残価を低く査定されてしまいます。
車内のニオイ、シートのシミなどの汚損が生じている場合なども同様です。
その場合、追加の支払いが必要になってしまいます。
ローン金利が高めになる
車を安く買える上に、基本的に残価が保証されるのであれば良いことづくめだと思えますよね。
なぜ設定保証型で買わない人がいるのか不思議に感じてさえくるのですが、実は残価保証型はディーラーが提携しているやや金利が高めのローンで支払うことが条件だったりするのですね。
そして、これも重要なことなのですが、残価保証型であってもローン自体は車両本体価格の全額に対して金利がかかります。
特定の銀行と他で付き合いがあって信用を築いていたり、何らかの金利優遇を受けられる条件を満たしているような人は、低めの金利で車のローンを組める場合があります。
そのような場合、低い金利の銀行でローンを組んだ方が、残価保証型ローンで購入するよりも支払いの総額が低くなる場合があります。
車を自由に売却できない
前述したように残価設定ローンで車を購入した場合、定められた期間のローン支払いが終わった後には、ディーラーに車を返却する(残価で引き取ってもらう)かそのまま乗り続ける(残価に相当する額の支払いをする)か、のいずれかを選ぶパターンがほとんどです。
そもそもそのような条件でのローンで車をオトクに買ったわけですからそれで問題ないはずなのですが、たとえば「走り屋御用達」の車などは需要が高いため、買った時よりも値下がりがほんの少しだったり、あるいは買ったときと同額、むしろ高く売れたりする場合があります。
残価設定ローンで購入した場合、そのような「オイシイこと」には一切ありつけません。
残価設定型ローンが向いているのはどんな場合?
このようにメリット、デメリットがある残価設定型ローンですが、特に残価保証型ローンの場合は、
高い確率で一定期間、かなり安く車に乗れる
のは確かなことです。条件によっては、新車を3年間、半額で乗れるなどというケースもあります。
その意味ではオトクに乗れるのは確かなのですが、多くの場合で定期整備をキチンとディーラーで受けることが条件になっていたり、またローンが終わった時点で必ずディーラーと「今後どうするか(返却するか、乗り続けるか)」を話し合うことになります。
つまり、ディーラーにとってはそこが乗り換えを促すチャンスでもあります。残価設定型ローンは、その意味ではディーラーの販売促進の方法の一つとも言えます。
諸々を考慮すると、残価設定型ローンが適している場合は、
- せいぜい3年や5年しか乗らない予定である(長く乗らない、買い替えるつもりであるなど)
- 長距離を頻繁に乗ったり、過酷な使用をするつもりがない
- 子供やペットをあまり乗せる予定がないなど、車の傷みや汚損が生じる可能性が低い
このような場合であれば、残価保証型ローンで十分に満足してオトクに乗れるのではないでしょうか。
残価保証型でない場合はあまりメリットが無い場合も
ここで、金利を無視した超単純計算をしてみます。
車両本体価格が1,000万円の車を、
- 3年後(36回払い)の残価50%の残価設定型ローンで買う
- 6年間(72回払い)のフルローンで買う
の2通りで考えてみます。
1の場合
残価は50%ですから、36回払いで支払う額は残りの50%、つまり500万円になります。つまり
500万円 ÷36回 = 13.88万円となり、月々13.88万円の支払いとなります。
2の場合
1,000万円を72回で支払うわけですから、
1,000万円 ÷ 72回 = 13.88万円
つまり、月々の支払額は同じ13.88万円になるわけですね。
残価設定型ローンは金利が高めであることが多いですから、それを考慮すると月々の支払額はフルローンの方が少なくなる場合があり得ます。
残価保証型ならまだ「残価(ディーラーの買取額)が保証される」という確定したメリットがありますが、残価保証型ではない残価設定型36回ローンの場合、普通に72回フルローンで契約して3年後に売るのと条件はほとんど変わらないということになります。
このようなケースでは残価設定型にあまりメリットを見い出せない、と言えます。
車の用途、使用条件、リセールバリュー等々をよく吟味した上で残価設定型ローンを使うかどうかを決めるようにしましょう。
車が高く売れれば残価設定ローンにこだわる必要はない
要するに、つまるところはこれです。
十分な高値で車を売ることができれば、制限の多い残価設定型ローンを使う必要性は低くなります。
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