海の近くにお住まいの方などが気をつけるべきものとして、塩害があります。
塩害は車へ重大な影響を及ぼす可能性があります。
よって、適切な対策と事後処理が必要です。また、塩害は夏場の台風や荒天時だけではなく冬場にも注意が必要である場合があります。
今回は車を塩害の被害から守る方法について解説してみます。
塩害の被害は大きい
塩害は戸建てやマンションなどの建造物にも影響し、その対策の有無でにより建物の耐用年数も変わってくると言われます。
ましてや車に対する影響は非常に大きなものとなります。表面の塗装のみならず、部品の隙間などにも注意した事後処理を要します。
また、海水浴や釣りなどで車で海に行く際にも塩害に対する注意を怠ってはいけません。これはつい忘れがちになりますが、海の近くに住んでいるわけではなくても、比較的高頻度で海に車で行く方は気をつけるべきです。
塩害に対する具体的な対策
では、どのようにして塩害に対策すれば良いのでしょうか?
なにはともあれ洗車
単純ですが重要な対策としては洗車があります。
ボディ表面から塩分を含む異物を十分に洗い流しましょう。
ただし、これだけでは不十分です。
下回りの洗浄が重要
ボディだけでなく、タイヤやサスペンション、マフラー等の下回りから塩分を落とすことも非常に重要になります。
そうは言っても、下回りの洗車は非常に難しいことが多いものです。
車高が高い車ばかりとは限りませんし、ジャッキアップして潜り込んでびしょ濡れになりながら洗うなどというのは現実的ではありません。
個人で下回りをうまく洗車するには?
ではどうすれば良いのでしょうか?
実は今は、下回りまで洗車が可能な洗車機があります。ガソリンスタンドなどに設置されていることが多いですが、そのような洗車機を使えば良いのです。
この際、コストは度外視すべきです。と言っても数百円のレベルですから、ケチるのはナンセンスです。文明の利器を大いに利用しましょう。
ボディの隙間も掃除する!
ドアとボディの隙間やボンネット、トランクの隙間にも注意が必要です。そのような隙間には塩分を含んだ砂やホコリが入り込みやすく、また一旦入り込むと容易には取れません。
そのような箇所も意識して掃除する必要があります。
とは言っても、ドアやトランクを空けたまま洗車したら中が濡れてしまいます。
これらの隙間の掃除は、ドアやトランクを開いた状態にして、薄めたボディ用洗剤を布に含めてよく拭き上げ、異物を除去します。その後に乾いた布で拭き上げをしておくようにしましょう。
ボディ表面の鉄粉
塩害とは異なりますが、海の近くで車に影響するものとして鉄粉があります。
海風に吹かれた砂浜の砂や、道路を走行中に巻き上がる砂の中の鉄分がボディに固着するのです。
ボディ表面がやたらざらついていないかを洗車の前にチェックしておくようにしましょう。
鉄粉を放置すると塩分と結合してサビの原因になったり、非常に除去しにくくなったりすることがありますので注意が必要です。
鉄粉の除去には、鉄粉除去用のスプレー、専用スポンジ、専用クロスなどがあります。いずれもカーショップで入手できます。
頑固な鉄粉には、専用の粘土やカーシャンプーを用いることで効果が得られます。
ボディ保護剤(ワックス、コーティング)の使用
今まで述べたのは事後対策でしたが、これは予防としての処置です。
ワックスやコーティングをボディに施しておくことにより、塩分や砂の鉄分などを含めた異物が表面に付着しにくくなり、また洗車でそれらの汚れを非常に落としやすくなります。
海の近くに住んでいる人や頻繁に海に行く人は、それなりのコストはかかりますがコーティングに関しては強力で長持ちするガラスコーティングなどを専門の業者に施行してもらうと非常に安心です。
冬場の塩害対策とは一体なに?
冒頭に、冬場でも塩害対策が必要であると書きました。
冬場に生じる塩害とは何でしょうか?
実はこれは、雪が降った後に用いられる凍結防止剤による塩害を指します。
凍結防止剤のCaCl(塩化カルシウム)
塩化カルシウムは凍結防止剤・融雪剤として広く用いられているものです。
降雪後に塩化カルシウムを撒くことによって雪の凝固点が下がって溶けやすくなり、凍結を防ぐのです。
運転する側にとって安全が得られるものではありますが、そこを通る車にはこの塩化カルシウムが下回りやタイヤ周囲に大量に付着することになり、それらが錆をもたらす原因となります。
これも立派な塩害です。
凍結防止剤が使用された後の雪道を走行した後は、下回りとボディを十分に洗浄しておくことが必要です。
塩害の被害は非常に大きくなる場合があります
塩害は、ボディや隙間に固着する汚れやサビとなって現れます。
また、下回りの塩害は非常に厄介で、下回りにサビが生じることにより車としての機能に障害が出たり、最悪の場合は下回りにサビによる欠損ができる場合が絶対にないとは言いきれません。
塩害対策は車を美しく保つため、ひいては高く売るために非常に重要です。
面倒臭がらずに対策をしっかり行うことが重要です。
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