車を売る際、買取店で査定を受けて満足の行く査定額を提示され、無事に契約を済ませたとします。しかしその後に、やはりもう一度査定させてもらって買取額を再検討したいと言われる場合があります。
いわゆる再査定ですね。
何かとトラブルの元にはなりがちです。
この再査定の申し出に対して、売り手はどのように対処したら良いのでしょうか？
再査定が行われるパターン
契約後になって査定し直すなんてことはなるだけ避けたいものです。どのような場合に再査定が行われるのでしょうか。
修理や事故の跡が新たに見つかった場合
現代の修復技術であれば、多少の事故や修復の履歴があったとしても全く問題がないのですが、やはり査定という点では価格は下がらざるを得ません。
私達が売りたい車が1～2オーナー程度の車で、またディーラーで定期整備を受けていたような場合であれば事故歴や修復歴は普通は分かるものですが、オーナーが多数いた中古車の場合、所有者でも把握していなかった修復歴がある場合があります。
ひどいものになると、実は水没車だったなどという場合もあります。
そのような修復跡が買取後に発見されたケースで、このような再査定が行われる場合があるのですね。
ボディの損傷が新たに見つかった場合
これも同じようなパターンですが、査定時には発見されなかった小さな傷やヘコミが買取後に見つかることがあります。
このような場合にも再査定にするよう求められる場合があります。
再査定には応じなければいけないのか？
このような場合の再査定の要求に対して、我々売り手は必ず承諾しないといけないのでしょうか？
これは、ケース・バイ・ケースとなります。
必ずしも応じなければいけないとは言い切れません。
ここでなかなかやっかいなのが、瑕疵担保責任です。
再査定に応じなければならない場合 ～瑕疵担保責任～
瑕疵担保責任とは民法上で定められているもので、売買の際に売り手が商品に持つべき責任のことです。
売買契約が結ばれた時点でその瑕疵が見つけにくい状態（隠れていた）であり、かつ売買契約時には存在していた、という場合に瑕疵担保責任が生じます。
買い手が通常の方法で行う査定では見つけられなくても仕方のないような瑕疵に適用される、ということですね。
売り手がその瑕疵を知っていて隠していた場合や虚偽の申告をしていた場合はもちろん適用されますが、なんと売り手がその瑕疵を本当に知らなかったような場合であっても、上記の条件が満たされていれば適用されてしまいます。
事故歴や修復歴、あるいは水没車だったことを売り手も知らないまま乗っていた、などというケースが考えられますね。
この場合、買い手側は民法上で契約破棄や賠償金請求の権利を持つので、このような理由で買い手が再査定を申し出てきた場合には受けざるを得ません。
必ずしも再査定に応じる必要はないケースは？
民法上では、買主が瑕疵により目的物の売買契約の目的を達成できないと判断した場合には契約の解除ができるとされています。
見つけにくいような傷やヘコミが「売買の目的を達成できない」に該当するかどうかは微妙なところだと思います。
また、小さな傷やヘコミだったとしても、そういうところまでしっかり細かくチェックできるからこその査定士ではないでしょうか？査定士というプロにとってそのような傷が本当に「隠れていた」と言えるのでしょうか？
このような場合は、必ずしも再査定を承諾する必要はない場合もあります。
再査定したいと買取店から言われたときにはどうするのが良いか？対処法は？
冷静になり、回答はとりあえず保留する
売却契約もしてホッとしたところに再査定の連絡がきたりしたら、多くの人は動揺してしまうことでしょう。
そのような状態で冷静な判断や検討はできないので、まず再査定に応じるかどうかはスグに返答をせず、保留にしましょう。
再査定となる理由を尋ね、書面にしてもらう
再査定には微妙な問題が絡んでくる場合もあるため、まずはなぜ再査定になったのかを詳しく聞きましょう。
そのうえで、その内容をきちんとした書面にしてもらうことが重要です。「言った言わない」のトラブルや、聞いてもいなかった内容を後から言われたりするトラブルを防ぐためにも重要です。
納得いかない場合は、消費者センターへ相談する
再査定となった原因が明らかに瑕疵担保責任に該当するような場合は、応じざるを得ません。
しかし、少しでも納得できない部分がある場合や不明瞭な部分がある場合は、再査定になった理由を書面にしてもらったものと売買契約書を持って、消費者生活センターに相談するようにしましょう。
車買取店の本社へ連絡する
中小の買取店はまた別ですが、大手の車買取店はほとんどに本社の営業所があります。
再査定についての話し合いは査定・買取をした店舗内だけで済ませるのではなく、本社の営業所にも必ず連絡し、今回の再査定になった件を説明しましょう。
実際に査定に関わった担当者についての情報も必要になりますので、査定の際に受け取る名刺などは保管しておくことが重要です。
本社の営業所に相談する際は、消費者生活センターにも相談したということをしっかりと伝えて下さい。
真摯に対応してくれるはずです。
有用な一括無料査定サイトとは？
このように再査定となってしまった場合でも、大手買取店の方が何かと対処しやすいものです。
なので、一括査定サイトを使うに際して重要なのは、大手買取店が含まれている所を選ぶことです。
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