事故で車が壊れてしまった!修理して乗り続けるのと廃車にして買い替えるのと、どちらが得?どうやって決めたら良い?

事故車を修理するか、廃車にして買い替えるか? 事故に遭ったときは

車を運転している以上、絶対に避けたいですがその可能性をゼロにはできないのが交通事故です。

どれほど注意していても追突や巻き添えなどのもらい事故は100%ゼロにすることはできません。

事故では車が多かれ少なかれ損傷を受け、ごく小さな損傷から大きな破壊を伴うようなものまで様々なケースがあります。

損傷が大きい時に修理をするのか、それともいっそのこと廃車にして新たな車を買うのが良いのか選択に困る場合もあるでしょう。

比較的大きな事故で修復歴が付いてしまうような損傷を受けた場合、修理するか買い替えるかを判断するためにはどうしたら良いでしょうか?

解説してみます。

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重要なのは自分の車の時価を確認すること

事故が完全なもらい事故などのこちらの過失がゼロであるケースでは、基本的には修理費が相手から出ます。

ただし小さな事故で修理費が安い場合ならともかく、ある程度の損傷に要する修理費は高額になるので、多くの場合は相手の入っている任意保険の保険会社が修理費用を払うことになります。

ただし、必ずしも必要とした修理費用の全額が出してもらえるとは限りません。ここが重要な点です。

なぜなら、保険会社は車の「時価」をもとに支払金額を決定するからです。

いくら過失が無い相手であっても、必要となった修理費を全て無尽蔵に保険会社が払ってくれるわけではありません。その車の時価より多い金額は出せないと保険会社は判断します。

つまり、必要な修理費がその車の一般的な時価を越えるような場合は、保険会社からの修理費の全額は出ません。すなわちこのような場合は、修理よりも買い替えた方が良いということになります。

修理の見積もりを取る際の注意点

事故で損傷した車の修理にどれくらいの費用を要するかは、修理工場での見積もりりを取ることで分かります。

その際には、損傷を受けた車の車種が得意な店に見積もりを作ってもらうようにしましょう。いわゆる専門店ですね。

新車や認定中古車で専門ディーラーから購入したのであればもちろんディーラーで良いですが、並行輸入車やディーラー以外から購入した中古車などは、民間の専門店を謳う業者に見積を依頼しましょう。

超高級欧州車、国内外のスポーツカー、アメリカ車、旧車など趣味性の高い車は必ずそのようにした方が良いです。

そのような車は部品の手配にも特殊なルートが必要であったり、それらの手配にかかる金額や修理そのものの工賃も非常に高いような場合があり、そのような知識がない工場で見積もりを作ると、実際にかかる費用よりも低い額の見積もりになってしまう場合があります。

また、複数の業者に見積もりを依頼する事が理想です。
その場合、見積もりが有料であっても多少の金額であれば必要経費と割り切ってしっかり見積もってもらうことが大事です。

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時価はどうやって調べるのか?

実際に流通している中古車価格から時価を推定するという方法もありますが、これは必ずしも有用ではない場合があります。

諸条件(車種・グレード、走行距離、ボディカラー)が似通っていても販売店ごとに価格は変わってきますし、中にはかなり異なる価格で売っている場合があります。

これは買取額やオートオークションでの落札額、販売店が乗せる利益、その他諸々の中間費用による差異であると考えられますが、中古販売額はこのように様々な個別事情が反映されており、時価の推定には用いることが適していないのです。

保険会社はそのようなバラつきが生じる資料ではなく、より客観的な資料から時価を決定しています。

それはいわゆるレッドブック、イエローブックという専門月報誌です。

レッドブックは有限会社オートガイド発行の現在流通している車の価格に関する月報、イエローブックは中古卸価格が掲載されているJAAI(一般財団法人日本自動車査定協会)発行の専門誌です。

ではこれらの専門誌を見れば良いのではないか?と思われるかも知れませんが、レッドブックは購入時に職業の記載も必須となりますし、そもそも年間契約でしか購入を申し込めないのでコストパフォーマンスが非常に悪いです。

イエローブックはJAAIの公式サイトから単月分の購入はできます。
>>https://x272.secure.ne.jp/~x272031/contents/webshop/bookstangetsu.html

ただ自分の車が必ずしも掲載されているかは分かりませんし、専門誌ですので内容を読み取るのも簡単ではありません。

では、われわれ一般人が適切な時価を簡単に知る方法は何でしょうか?

車の適切な時価を知る方法

これは、JAAI(一般財団日本自動車査定協会)に依頼するのが最も良い方法です。

JAAIは自動車に関するさまざまな評価、証明を行ってくれる機関で、一般の個人でも問題なく利用できます。

査定は有料で、以下のようになっています。

査定料(消費税込)
種類 車種 料金
基本料金 ダンプ車 その他

特装車

軽自動車 660cc以下の乗用車・商用車・貨物車 5,500円 5,940円 6,600円
普通車 661cc~3,000cc以下の乗用車・商用車

0.3t~2tの貨物車(2t車ベース)

7150円 7,700円 8,580円
3,001cc以上の乗用車・商用車

3t~4.5tの貨物車(4t車ベース)

9,900円 10,780円 12,100円
大型

貨物車

4.6t以上の6t車ベース

8t車ベースの貨物車

11,000円 11,990円 13,530円
10t車ベースの貨物車 11,550円 12,650円 14,410円
小型バス 29人乗り以下 11,000円
大型バス 30人乗り以上 11,550円

普通車であれば最大でも12,100円です。

修理にせよ乗り換えにせよ数十万~数百万円の費用はどうせかかるでしょう。

また、保険会社との交渉などでもJAAIの証明書は有用なカードとなります。

そのようなことを考慮すると、これくらいの費用であれば、適切な判断を下すための経費として許容されるでしょう。

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実は、時価は買取店の査定額に近い

このようにJAAIに依頼して客観的な時価を知ることが最も良い方法になりますが、実はもっともシンプルな理論として、時価は車買取店の査定額と考えることもできます。

そこに販売店の利益を始めとした様々な中間費用が乗った上で中古販売価格となるのです。

先に述べた通り買取査定額にも買取店によって違いは出てきますが、多くの買取店に一括査定を申し込むことによって、その結果からある程度の傾向は見えてきます

ただし、このような事情があるにせよ、時価の推定にウェブによる一括無料査定を利用するのはやめましょう。

まず、買取店は現状の車でしか査定をしないため(当たり前です)、事故で損傷を受けた車の査定額は時価の推定になりません。

事故前の状態の時価を知りたければ虚偽の情報を入力して一括査定を申し込むしかありませんが、それは買取店に無駄な労力を使わせるだけであり非常に悪質なことです。

買取店もタダで無料査定に参加しているわけではなく、相応の費用も払っています。

売るかどうか分からないけれど、もし納得の行く査定額を出す店が多ければ売却を考えよう、というケースであればそれは正当な利用法です。必ずしも一括査定を利用したからと言って売らねばならない、というわけではないのです。

しかし、そもそも事故車なので売れるような車ではないにも関わらずウソの情報で労力を使わせるのは利用規約に反しますし、非常に悪質です。絶対にやめましょう。

事故で損傷した車を修理するか廃車にするか決める方法のまとめ

修理の見積もりを作ってもらう

新車や認定中古車はディーラーで、趣味性の高い車や高額車はその種の車を専門とする業者で見積もりを作ってもらう。複数の業者で行うことが望ましい。

JAAIに依頼して時価を査定してもらう

有料にはなるがこれが最も客観的であり、保険会社との交渉カードにもなる。
イエローブックを購入してみるのも一つの方法。
ウェブの一括無料査定を利用するのは厳に慎む。

両者の価格を比較して、修理するか廃車にするかを決定する

1. 見積額 < 時価

保険会社が払ってくれる金額は時価が上限となるが、このケースであれば修理費の全額が支払われる可能性があるため、修理することを考慮する。

見積額 >時価

この場合は保険会社が支払う金額の上限を修理費が越えてしまっている可能性が高い。廃車にするほうが安上がりかもしれない。 

以上のようになります。

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